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2006/08/29

たかがNDA、されどNDA

朝夕(夜遅くですね)は随分と涼しく感じるようになりましたが、今日はまた真夏日に戻ったようですね。外に出ると、まだまだ暑さと湿気で一気に体力消耗という感じです…。

オフ会も日程が決まりましたので、参加される方々と情報交換(まあ、Deaconの場合は“刺激をいただくこと”でしょうか)できるのが楽しみです。

このブログは、基本的にDeaconのLL.M.留学準備から始まって、留学中の経験、卒業後の法律事務所研修での経験等を綴っていくのがメイン(タイトルのとおり)ですから、あまり「法律」や「法務」に関わるエントリは立てていませんでした。ただ、留学中のお話が終わってしまったら…?との思いに至り、気が向いたときには、ちこっと「その手」のお話も交えていこうかなと思った次第。ただ、あまり深入りすると馬脚を露しかねませんので、それがばれない程度の浅いレベルで…(^^;)。

で、今回はNDA(Non-Disclosure Agreement)、いわゆる「秘密保持契約」について、少し徒然と。

Deaconは入社以来ずっと法務部勤務ですから、もう15年以上になりますね。時はバブルが弾きかけていた頃ですが、バブル最後の年の入社組ということで、“バブラー”などと呼ばれていたもんです。法務部配属の経緯は、過去のエントリに詳しいので、こちら(その始めの方のエントリ)をご参照していただきましょう。

イメージしていた“法務部のお仕事”(正確には何もイメージできていなかった?)から程遠く、毎日が書籍を読んだり、経営法友会や商事法務の研修会に参加したり、教育係の先輩社員と一緒に会議に出たりしている中、ようやく「この契約を検討してみて。」と先輩社員から指示されたのが、タイトルにあるNDA。初めて実務的な仕事に携われたのがNDAだったような記憶があります。

研修会のテキストや法務部書庫にある契約書式集を引っ張り出して、自分なりにレビュー。秘密保持義務の例外事項に関する規定を見て「あぁ、なるほどねぇ。」なんて感心しながら、レビューしたもんです。まあ、それで“自分なり”に仕上げた修正案を先輩から徹底的に添削される訳です。というより、「質問攻め」ですね。契約内容よりも当該事案に関する質問ですから、依頼部署から何も聞いていないDeaconは何も答えられない訳です。---「この製品はどういうものなの?」「何に使うの?」「次のステップは?」「将来、どういうビジネスを考えているの?」---文面、字面しか見ていないDeaconは当然のことながら「…。」

こんなことを通じて、いかに現場との意思疎通が大切なのかを学んでいったものです。それでもまだ、青二才の頃(今でもそうか?)は、「NDAはワンパターンだから、結構楽だよね。」なんていう考えも持っていた訳で、比較的軽ーく対応していたように思います。これが劇的に変化したのがLL.M.留学後の法律事務所研修中に経験した“ノウハウ流用疑惑事件”の対応でした。当事者に米国企業があるということもあったのでしょうが、「契約の文言解釈」や「明確性」などについて、随分と考えを改めるきっかけとなりました。

また帰国後に自分が担当したNDAの解釈で当事者間で揉めたこともNDAに対するそれまでの考え(難しくない契約の一つだよねという考え)を改めさせる要因にもなりました。

だいたいどこの書式集も似たり寄ったりの内容ですよね。まっ、それは「書式集」だからであり、どうしても最大公約数的な内容にせざるを得ない宿命なわけで…。やはり、NDAとは言え、簡単に対応するのではなく、自社のビジネスをよく考え、当該案件をよく考え、その中で自社のポジションをよく考えてレビュー、ドラフトをしなくてはならないんだ、ということに気付いたわけです(遅いのかもしれません…)。

こんな経験を通じて、自社に合ったNDA書式の作成して社内に公開したり(もちろん「たたき台」であって、事案によって修正が必要であることも明示)、社内の啓蒙活動(講習会開催)を行ってきました(継続的に現在進行中)。更に、最近増えているのが、契約交渉の同席や同行。「契約」と言っても、案件のキックオフに該当するようなNDAの交渉にです。まあ、普通は「このレベル」ではありえない(?)お話か…。でも、ウチのNDA(いや、特にDeaconがドラフトしたもの)は、かなり突っ込んだコトまで書いていますので、なかなか営業さんやR&Dさんからは説明が難しい、いや、説明できたとしても相手方さんがなかなか納得してもらえないようなんです。
確かにドラフトした本人からしても、ある意味、わかるお話なので、「どうしてこういう内容を入れさせてもらったのか?」というご説明をDeaconの口からさせていただく、そういうパターンが多くなりました。

そんなこんなで、ここ数年前から同席やら同行が多くなっています。まあ、Deaconは俗に言われる「契約法務」というジャンルを主戦場にしていますし、自分としても一番好きなフィールドですから、そして何よりも「外に」出れるのが嬉しくて(^^;)、依頼があると即答でOKしています。
いずれ、皆さんの前にも現れるかもしれませんが…。その節はお手柔らかにお願いします。
(P.S. 上記、徒然と書かせてもらいましたが、ここ最近、自分のNDAに対する考え方 -特に内容面- がまた若干変わりつつあります。いろいろな経験を踏まえて、絶えず試行錯誤していくことになるんでしょうねぇ。)

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コメント

おお。また面白いところから出してきますねえ。
個人的には(いる業界の所為もあるんでしょうが)NDAは作るよりも作った後で、NDAでの保護対象になる情報に触れる人々が書面の内容に従って、きちんと管理できるかどうかの方が重要かと思っています。だから、僕が経験した範囲では、保護対象になる情報が何で、それを誰が何に使うのか、いつまでどういう義務を負うのかというあたりを中心に、「現場」の人の声を聞きながら、時間的な制約もにらみつつ、彼らから見て実現可能な範囲でうまく収めるように考えています。ご参考までに。

投稿: dtk | 2006/08/31 00:31

> dtkさん
コメント、ありがとうございます。業界(というか「会社」単位とすべきかな)によって、考え方やら内容、実務の対応など全然異なりますよね。結構、いろんな業界とお付き合いがあるので、その違いを比較してみると面白いものがあります。

それから、ご指摘のとおり、契約締結しただけではコト足りず、それに基づいて実際動く現場の皆さんにその内容を周知徹底させなくてはなりません。そうでないと「絵に描いたモチ」になってしまいますもんね(^^;)。
また貴重なお話、コメントをお願いしますね。
(p.s. オフ会でのスペシャル・ゲストのアレンジ、厚く御礼申し上げます。)

投稿: 管理人(Deacon) | 2006/08/31 18:54

私も、最初に接した(というよりは、接せさせられた)契約がNDAでした。今でも、NDAは法務新人の最初の門ではないかと思います。今ではすっかり慣れてしまったのか、NDAの件数がたまると、面倒くさいなと思うこともたびたび、というよりしょっちゅうです。「たかがNDA、されどNDA」と言われ、ドキッとしました。

数年前、私が初めて中国での合弁設立を担当したとき、中国語のNDA(「保密契約」)に初めて触れました。その時、NDAといっても、英語と中国語ではニュアンスが随分異なり、奥が深いなと感じた次第です。ちなみにその時、たまたま合弁交渉の現場に、私の会社の人間は私しかおらず、稟議書も回せぬまま、ペーペーで法務の私がNDAにサインせざるを得なかったのですが・・・。「まあNDAだから」という気持ちが、どこかにあったのかもしれません。気をつけないといけないですね。

投稿: Twilight | 2006/09/06 00:51

> Twilightさん
コメントと貴重な経験談をありがとうございました。
“自戒も込めて”こんなエントリをあげてみました。おっしゃるとおり、国が違えば内容やら考え方も違ってきますよね。
同じ日本でも業界が違うとずいぶんと異なるもんです。めちゃくちゃアバウトだったり、逆にものすごく細かかったりと。
なかなか“深みのある”領域だなぁ、なんて思っています。

オフ会でもこんなお話ができるかもしれませんね(限度はあるでしょうが)。楽しみです!

投稿: 管理人(Deacon) | 2006/09/06 13:38

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