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2006/04/18

1年目の秋学期(その3)

珍しく連日のエントリ更新です(笑)。アップできるときにしておかないと、またどんなことがあるかわかりませんので、できるうちにと思いまして…。

それでは早速前回の続きに入りましょう。

前回の終わりに「体重が7、8キロ減った」とのお話をしましたが、随分とスマートにはなりました(笑)。笑って思い出せるのも今だからであって、当時は本当に大変でした。勉強量の多さも“ダイエット”の要因の一つですが、最大のものは、やはり「英語力不足」だったと思います。

お恥ずかしい話ですが、とにかく授業に出て教授のお話を聞いても、よく理解できないのです。留学前の英語力からしてある程度の「覚悟」はできていましたが、これほどまでに「何を言っているのかわからない」状況になるとは思ってもいませんでした。第1号さんや第2号さんからも、それぞれのご経験から「留学当初はついていけない」と伺っていましたが…。ギャグを連発する教授の授業においては、落ち込み方が半端じゃありませんでした。みんなが大笑いする中、ぽつねんと一人笑えない自分がいるのですから。

ただ、救いと言ってはなんですが、サウジアラビアからの留学生であるアジズ2号(実は、サウジ出身で1年前の留学生が3セメ履修しており、その彼の名前が同じアジズ。そこで、学校では“アジズ1号”、“アジズ2号”とニックネームを付けていました)も、常々「授業についていけない。何を言っているかわからない。」とこぼしており、それを聞いて「ああ、オイラだけではないんだ…」と少しホッとしたもんです。

「授業内容を理解できていない」、これへの対策は「ひたすら読む」ことで対応しました。もう長いだの、多いだの言ってられません。ひたすらケースブックを読んで、理解できないところはアンチョコとJ.D.のクラスメートに質問しました。LRW (Legal Research & Writing)でJ.D.と一緒のクラスだったのは本当にラッキーでした。彼らもLL.M.留学生を他のJ.D.学生同様にクラスメートと認めてくれていたようで、こちらの質問には懇切丁寧に教えてくれました。実際、授業が終わると「どう、Deacon、今日の授業はわかった?もし、わからないことがあったら、遠慮なく聞いてくれ。」と言ってくれるクラスメートもいました。これがきっかけになり多くのJ.D.学生と交流を持てることができました。

日本人留学生の仲間がいれば、一緒に勉強会をしたり、ノートの交換をしたりとこんな苦労しなかったのだとは思いますが、これはこれで自分にとってはいい勉強になりました(と、今だから言える?)。因みに、これらのJ.D.学生とはこれを機に一緒に大学スポーツを応援に行ったり、食事をしたり、旅行をしたりと良い思い出作りに貢献してくれましたし、帰国してから5年以上経ちますが、今でもコンタクトを取り合う仲になっています。彼らのお話はこれからもちょくちょく出てくると思います。

もう一つの“ダイエット”要因は、上記しましたが、やはり日本人留学生がDeacon以外に存在しない、ということだったでしょうか。留学する前は、あれほど「日本人が少ないこと」を条件にしていたのに!まあ、「少ない」と「ゼロ」では“雲泥の差”があるようにも思いますが…。「日本語が喋れない」という環境はそれほご苦痛にはなりませんでした。アパートに帰ればワイフ殿と日本語で会話していましたし。当たり前と言えば当たり前ですが、それでもあるとき「今日は日本語厳禁で生活してみよう!」なんてことを提案したりしましたが、ものの数時間で耐え切れずに“自爆”なんてこともありましたっけ。

とにかく授業中によく聞かれました---日本のコトや日本の法律について。自分の知っている分野については、何とか説明することもできるのですが、“畑違い”の話になるとたまりません。教室中がしーんとなって、Deaconの発言を今か今かと待っているこの状況をご想像ください。とにかく最初の頃は、クソ真面目に何とか答えようとするものですから、もう全身から冷や汗が溢れ出るんですよねぇ。説明できないコトについて、うまく英語でかわせる、軽くギャグなんか噛ましてやって逃げるなんて「高等技」が使える訳でもないですから、結構沈黙しちゃったりしたんですねぇ。何かしら口にしたくて、もごもごするんですが、言葉にならない…。さすがに教授も見兼ねてフォローを入れてくれるのですが、もう完全に舞い上がってしまって、フォローさえもそれとわからなかったり…(^^;)。そうなると、悪循環の始まりです。もう、周りの学生のDeaconを見る目が軽蔑の眼差しになっていると誤解したり…(いや、「誤解」ではなかったのかもしれないんですが)。「日本(法)について間違ったことを言っていないだろうか?」そう考え出すと不安でたまらなくなったもんです。いや、本当に辛いものがありました。

ただ、人間とは不思議なもので、こんなことを複数回繰り返していくと慣れてくるんですねぇ。こちらも決して満足できる回答ができないにしても、徐々にひと言、ふた言と答えることができるようになってきたのです。しまいには、かなりいい加減なことも自信満々に答えたりして…(苦笑)。LL.M.の日本人留学生なら恐らく同じような質問を受けた経験があるのではないでしょうか---「日本の契約観」だったり、「日本における“約因”の概念」だったり、「日本の憲法について」だったりと。(dtkさんのブログによれば、これに似たようなケースで、もっとフォーマルにロースクールでシンポジウムが行われたようです。)

こんなことがストレスになって、体重の減量に繋がったのではないかと思っています。でも、これだけでない“ダイエット”要因も実はまだあったんです。それは次回にでも。(つづく)

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コメント

こんにちは。いきなり振られたので驚きました。
こちらの学校では逆に日本人は多いものの、あまりそういうのを聞かれた経験がないのです。どーも、奴らは一杯居るけどよく分からん(それ以前に、アメリカ人には東アジアの人は区別できない)と思われていそうなので、たまにはと思って手を挙げて、JD相手のパネルディスカッションに出たわけです。時間の都合でディスカッションというほど議論はせずに質疑応答程度の会話しかしませんでしたが。

投稿: dtk | 2006/04/18 13:23

> dtkさん
いきなり振らせていただき、失礼しました(笑)。
パネルディスカッションのお話を伺っていたので、思わず…という感じです。

「日本人が少ない(いない)」ことのメリット、デメリットを体感できた秋学期だったと思います。

投稿: 管理人(Deacon) | 2006/04/18 22:10

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