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2005/09/12

英語との闘い(第4ラウンド)

入社2年目は英語学習という面からはもちろん、人生という大きな観点からも一つのターニング・ポイントとなった年でもありました。5月半ばから7月にかけての5週間に渡るアメリカでのアメリカ法に関するサマースクールに派遣されることになりました。テキサス州ダラス近郊にある“Southwestern Legal Foundation”(現在は名称が変わっているようです)が主催する“Academy of American and International Law”への派遣です。

「TOEIC 375点、TOEFL 430点ではあまりにも無謀では?」という声も当然あったとは思いますが、法務部長の「迅速なる国際法務の充実を」という目標達成には猶予はなかったのだと思います。また「第1号も第2号も、このダラスのセミナーを経験してから渉外案件に対する取り組み、考え方、特に英語に対するそれが変わったことは、本人たちも認める周知の事実。」ということでもあったようです。当時の中堅から若手に至るまで、この類のサマーセミナーには毎年派遣されていました(例えば、University of Wisconsin Law School のサマースクール等)。

今のような時代では考えられないケースだったと思います。ある意味、バブルだった世相を反映しているかもしれませんね。その当時の英語の勉強方法は、就業後に行われる週1回の社内英語教室とTOEFLの自習でした。TOEFLの教材は第1号さんから貸していただいたETS発行の文法集と市販のTOEFL教材でした。「TOEFLの勉強をしていれば、TOEICの勉強も兼ねているから、自動的にスコアアップされる筈。留学に必要なのはTOEFLのスコアであるから、TOEFLの勉強に注力すべき。」との第1号さんのアドバイスもあり、TOEICの勉強はしていませんでした。

ダラスでの7週間、アメリカ人を始め多くの外国人と交流を通じて、それぞれの立場から物事の見方が180度変わることなど、実に当たり前のことに気づかされたり、人種や民族が異なっても皆平和を愛する人たちなんだなと感じたりしました。部長の方針から、宿舎となるホテルでは外国人との同室が義務づけられベネズエラの年下の弁護士と一緒にシェアをしました。彼と知り合ってから外食に出かけ、初めてマクドナルド以外のアメリカサイズのハンバーガーを食べて、その大きさに圧倒され、隣に座った地元民と思われるアフリカ系アメリカ人が美味しそうに食べている真っ赤に茹で上がったザリガニに驚いたりと初日からカルチャーショックのオンパレードでした。彼に日本の憲法の話をするときは苦労しましたねぇ。ブロークンな英語で三大原則を話しましたが、彼は辛抱強く聞いてくれましたっけ。スペイン語が母国語になる彼は英語も殆ど問題のないレベルに思えました。彼以外の友人ができるまでの1週間は、彼が私の英語の先生であったように思います。今、改めて感謝します、レオポルド君!

世界各国、20ヶ国ほどからの参加者がいましたが、日本人がマジョリティを構成しており、管理人を含めて6名(商社、メーカーの企業法務マン・ウーマンと弁護士)が参加していました。この方々との交流も管理人にとっては貴重なものでした。入社2年目の管理人に対して、皆さんはもう中堅どころの方々ばかり。その立ち居振る舞いからも学ぶべき点が多く、企業法務マンという観点以外からも人生の先輩という立場からいろいとアドバイスを頂きました。このセミナーに参加したからこそ、後のロースクール留学に繋がったと言っても過言ではないと思います。肝心のセミナーですが、午前と午後の二部構成でアメリカの法体系から各法律の入門レベルまで講義されました。そのスタイルは、意外にもどちらかというと日本の大学と同じ講義方式(講師による一方通行的な講義)でした。いわゆる、アメリカ式のソクラテス・メソッドで行われていたら、管理人の英語レベルでは太刀打ちできず、リカバー困難なほどのダメージを受けたに違いありませんから、管理人にとっては幸いだったと思います。もちろん、講義中の受講者からの質問は大歓迎でヨーロッパや南米からの参加者は積極的に発言していました。何とか7週間の間で1回は発言しようと自分に課しましたが(日本人参加者でそう決めたのです)、残念ながら単独での発言はできませんでした(グループ発表では担当パートについては英語でスピーチしましたが、恐らく発音がめちゃくちゃで聴取者には理解不可能だったのではと思っています。なぜなら、管理人の担当部分にのみ1件も質問がありませんでしたから…)。

1日の講義が終わると自由時間です。参加者の「頭と身体の迅速な切り替え」にはびっくりさせられました。講義後、ヨーロッパや南米の参加者はよくサッカーをしていましたね。その頃、管理人自身は現在ほどサッカーにあまり興味がなかったのですが、まるでプロ並みのテクニックを見せていましたね。海外の参加者は家族同伴で参加されている(講義には参加できませんが)方も多く、あるアルゼンチンから参加の弁護士(女性)の旦那さんはサッカーが上手で、容姿もマラドーナそっくり。「マラドーナにそっくりですね。」と言うととても嬉しそうでした。また、宿舎の近くでテニスやゴルフができるものですから、管理人なぞはこのダラスがゴルフデビューとなりました。日が暮れるのが遅いですから、午後4時過ぎからでも充分にハーフを回ることができて、一人10ドル未満でプレーできた記憶があります。

セミナーも中盤に差し掛かり、Foundation主催の“One-Day Trip”が企画されました。行く先は University of Texas at AustinLaw School です。バスに揺られて3時間あまり。テキサス州の州都オースチンに到着。まず度肝を抜かれたのが、この大学の広大さ!大学の中に市営のバスが走り回り、キャンパスの移動は徒歩では困難という広さ。まるで一大要塞といった趣です。確か敷地内には数万人の観客を受け入れることができるフットボール競技場もあるのですから、想像がつくのではないでしょうか。白亜の建物が無数に広がる中で、緑もそれなりに多く、あちこちでリスが人間を恐れずに跳ね回っています。管理人はすっかり恋してしまいました、このUT Austin に。自宅にあるこのセミナー参加のときの写真アルバムに「絶対にこの学校に留学する!」という決意表明が写真とともに貼られています(笑)。それくらい、この学校に(いや、正確にはアメリカのロースクールに、かな)惚れ込んでしまったのです。何が何でもロースクールに留学するという確固たる決意を持ったのは、このセミナーに参加してからだと思います。

勉強以外の懐かしい思い出も幾つかありますね。日本人参加者と行ったラスベガス旅行と多国籍の仲間達と行ったサン・アントニオ旅行です。ラスベガスは広大な北米大陸という点に注目して時差のメリットを有効に活用した2泊3日の旅でした。週末と独立記念日を繋げる形でカシノや“ホール&オーツ”のコンサートを堪能しました。日本人先輩達の巧みな英語による巧みな交渉術もしっかりと学びました。(そう言えば、会社の同期に既にTOEICが800点を超えていて海外営業部に配属された仲間がいましたが、彼の英語の勉強は好きな歌手の歌詞で勉強したと言っていました。その好きな歌手が“ホール&オーツ”でしたっけ。)

サン・アントニオはダラスから車で4、5時間の所にあるアメリカでは珍しい史跡を残す街でもあります。そう、「アラモの砦」で有名ですね。ダウンタウンの中を網の目のように走る水路。これはメキシコ軍からの侵略を防ぐものだったようです。メキシコ国境に近いこともあって、サン・アントニオ近郊に差し掛かるとラジオが急にメキシカン・ミュージックに変わり、何か周りの雰囲気もラテンっぽくなってきたのは気のせいだったのでしょうか。さて、夜はその水路を廻る“リバーウォーク”が圧巻!どんなに素敵であったかというと、先ほどのアルバムに「絶対にここ(サン・アントニオ)にもう一度戻ってくる。今度は二人で!」という恥ずかしいコメントがあります。そう、当時はまだ独身だったんですよね。(余談:それから7年後のロースクール留学中にワイフ殿と再訪し、リバーウォークを満喫することができました。)

(追伸:昨年、12年ぶりに日本人参加者の一部の方と再会を果たすことができました。皆さん変わられていなくて、あの頃と一緒でした。更に一層のご活躍のご様子で、管理人もとても刺激を受けてきました。)

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コメント

はじめまして。貴殿のサイト大変興味深く拝読いたしました。今回こういう連載をしようと思われたきっかけは何ですか?現在の英語力はどのくらい上達されておられるのでしょう?私は英語学習者応援サイトなるものを開設したばかりなのですが、もしご興味がございましたら、一度覗いてみてください。ご感想など頂けると幸いです。

投稿: nobsan | 2005/09/12 14:38

nobsan様、コメントいただきまして、どうもありがとうございました。連載のきっかけは、数年前の自分と同じような環境にある方々に少しでもお役に立てれば、という気持ちと自分の「記録」として残しておきたい、という思いからです。
現在の英語力は、客観的な数字では表せないのですが、英語での生活(公私に渡る)には支障ないレベルと思っていますが、あくまでも主観なので…。
詳細については、別途メールを差し上げます。
これからもプロの視点からご指導、アドバイスをいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

投稿: 管理人(Deacon) | 2005/09/12 21:29

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